Artom Konovalov
Artom Konovalov
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リリースノートの例:そのままコピーできる記入済み5パターン

このリリースノートの例では、SaaSアプリの機能発表、ホットフィックス、アプリストアの掲載文、日付付きのAPI変更、全社でのITツール切り替えという、よくある5つのリリース場面を取り上げます。プロダクト、エンジニアリング、ITの各チームは、どのリリースノート例もテキストとしてコピーでき、それぞれに対応するPDFも用意しています。

さっそく例を見る。


要点:
良いリリースノートのサンプルに共通する点:冒頭の1行で、製品名、バージョン、リリース日、対象プラットフォームを明示しています。
アプリストアのアップデート:修正は1件ずつ1行にまとめ、以前の症状と今の動作を書きます。
良い例と悪い例:良い項目はユーザーにとっての利点を書き、悪い項目は内部の部品を並べるだけです。
あいまいな記述:このページのリリースノートのサンプルと更新履歴の例は、修正を1件ずつ具体的に書いています。記入前のひな形が必要な場合は、リリースノートテンプレートをご覧ください。


良いリリースノートの例の条件

ギャラリーの各見本では、次の7つの基準を番号で示しています。

  1. バージョンと日付を入れたヘッダー行。 冒頭に、製品名、バージョンまたはビルド番号、リリース日を書きます。プラットフォームごとに異なる場合は、提供先(Web、iOS、API)も加えます。この行がないと、読み手は自分が使っているバージョンに当てはまるノートかどうか判断できません。
  2. 冒頭の短い要約。 リストの前に1〜3文で、誰にどんな影響があるかを書きます。要約がないと、読み手は箇条書きの真ん中に放り込まれてしまいます。
  3. 成果を軸にした書き方。 すべての項目を、読み手が得られること、またはもう悩まなくて済むこととして書きます(「〜できるようになりました」)。悪い書き方は、内部のコンポーネントを並べます(「検索インデックスのパイプラインを最適化」など)。
  4. 種類別の変更ラベル。 各項目を「修正」「破壊的変更」などの種類タグの下に置き、同じ種類の項目をまとめます。タグがないと、修正と新機能の見分けがつきません。
  5. 具体的なバグ修正を「修正前と修正後」で書く。 各修正で、利用者が遭遇した症状と現在の動作をセットにし、1件を1行にします。悪い例は、まとめて1行で済ませます。
  6. 必要な対応と破壊的変更を先頭で知らせる。 読み手がやるべきことは、期限と合わせて冒頭近くに置きます。対応が不要なら「対応は不要です」と書きます。悪いノートは、破壊的変更をリストの途中に埋もれさせます。
  7. 既知の問題と問い合わせ先。 まだ直っていない問題には、回避策または修正予定日を添えます。最後の行では、ドキュメントやサポート窓口を案内します。これがないと、不具合は何もないという印象を与えます。
Parcelo APIのバージョン変更ノートに注釈を付けた図。7つのリリースノート基準のうち6つを満たす箇所を示している:バージョンと日付のヘッダー、要約、成果を軸にした書き方、破壊的変更・新機能・非推奨の種類ラベル、要対応の期限、ヘルプへのリンク


そのまま使えるリリースノートの例5選

リリースの種類ごとに1つずつ、合計5つの見本を用意しました。真似したいリリースノートの例として自信を持っておすすめできるものです。登場する会社はすべて架空です。

例1:SaaSの機能リリース

B2B請求書アプリで、1つの機能を告知するPM向けです。

Ledgerly 3.8のSaaS機能リリースノートの記入例。定期的な支払いリマインダーを発表する内容で、バージョンとプランのヘッダー、2文の要約、4ステップの設定手順、提供開始日、英語のみという制限、ヘルプへのリンクを含む
  • ヘッダー: Ledgerly 3.8 · 2026年5月6日 · Web · GrowthプランとScaleプラン
  • 新機能: 請求書が自動で督促してくれます
  • 要約: Ledgerlyが、設定したスケジュールで支払いリマインダーを送信できるようになりました。経理チームが催促メールを手作業で書く必要はもうありません。GrowthプランとScaleプランで利用できます。
  • できるようになったこと: 1通の請求書につき最大3件のリマインダーを設定できます(例:支払期限の3日前、期限当日、期限の7日後)。入金が記録されると、リマインダーは自動的に止まります。各リマインダーには、請求書のブランド設定が反映されます。
  • 使い方:(1) 設定 > リマインダーを開きます。(2) 自動リマインダーをオンにします。(3) スケジュールを選ぶか、独自に追加します。(4) 保存をクリックします。スケジュールは、未払いのすべての請求書に適用されます。
  • ご要望にお応えしました: Ledgerlyのフィードバックボードの機能リクエスト #412(230票)です。
  • 提供状況: 2026年5月20日までに、GrowthとScaleのすべてのアカウントへ順次展開します。
  • 既知の制限: リマインダーは英語でのみ送信されます。他の言語は2026年第3四半期に対応予定です。
  • ヘルプ: help.ledgerly.example/reminders

効果的な理由: 基準1、2、3、4、7を満たしています。タイトルそのものが成果を表しています。

注意点: 英語のみという制限はLedgerlyの事情です。自社の機能の制限は、自社に合わせて書いてください。

PDFをダウンロード - 請求書が自動で督促してくれます

例2:モバイルアプリのストア向けアップデート

両方のアプリストアに載せるアップデート文を書くモバイルPM向けです。

Trailmateバージョン5.12のアプリストア「新機能」ノートの記入例。バックグラウンドでのオフライン地図、ペースライン、2件の具体的な修正という成果重視の4項目で、Google Playの500文字のうち341文字を使い、サポート連絡先も記載
  • ヘッダー: Trailmate · バージョン5.12の新機能 · 2026年6月2日 · iOSとAndroid
  • オフライン地図がバックグラウンドでダウンロードされるようになり、スマートフォンをロックしたまま歩き続けられます。
  • 新機能:標高グラフにペースラインが加わり、各登りでペースが落ちた場所がわかります。
  • 修正:ハイキング中にカメラを開いても、GPSの記録が止まらなくなりました。
  • 修正:スマートフォンの単位をマイルに設定している場合、Apple Watchアプリでも距離がマイルで表示されるようになりました。
  • 締めの一文: これらの修正につながったご報告に感謝します。ご質問はこちらへ:support.trailmate.example

箇条書きの記号と改行を含めて、4行の合計はGoogle Playの500文字のうち341文字です。

効果的な理由: 基準1、2、3、4、5、7を満たしています。各修正は、ハイカーが実際に目にした症状を具体的に書いています。

注意点: 5つ目の箇条書きを足すと、Google Playの500文字の上限を超えるおそれがあります。

PDFをダウンロード - バージョン5.12の新機能

例3:バグ修正のパッチリリース

スケジューリングソフトのライブ環境にホットフィックスを出すサポートリーダー向けです。

Rostra 2.14.1のホットフィックスのリリースノート記入例。冒頭で対応は不要と明記し、修正前後を示す2件の修正、影響を受けるアカウントと日付、原因の1行説明、修正予定日付きのCSVの既知の問題、サポートのメールアドレスを載せている
  • ヘッダー: Rostra 2.14.1 ホットフィックス · 2026年6月18日 · Web、iOS、Android
  • 要約: このホットフィックスは、2.14.0で発生した2つの問題を修正します。修正はすべてのアカウントに適用済みです。対応は不要です。
  • 修正: モバイルアプリで承認したシフト交代が、更新するまでWebのスケジュールに表示されませんでした。承認済みの交代は、Webに5秒以内に表示されるようになりました。
  • 修正: 週の開始が月曜日のアカウントで、残業アラートが40時間ではなく38時間で発動していました。アラートは40時間で発動するようになり、誤って送信されたアラートは削除されています。
  • 影響を受けるユーザー: 週の開始が月曜日で、2026年6月16日から6月18日の間に残業アラートを使っていたアカウントです。
  • 原因: 週の開始設定を、アカウントのタイムゾーンではなくUTCで読み込んでいました。
  • 既知の問題: シフト交代のCSVエクスポートでは、時刻が引き続きUTCで表示されます。修正は2026年6月25日の2.14.2で提供します。
  • ヘルプ: support@rostra.example

効果的な理由: 基準1、2、5、6、7を満たし、冒頭に「対応は不要です」と書いています。

注意点: 原因の行です。自社のノートでは1行に収めてください。

PDFをダウンロード - Rostra 2.14.1 ホットフィックス

例4:APIのバージョン変更

プラットフォームチームが、日付付きのAPIバージョンについて連携先の開発者に知らせる場面です。

Parcelo API 2026-07-01のバージョン変更ノートの記入例。2027年1月15日を期限とする要対応の告知、2件の破壊的変更、1つの新フィールド、非推奨のlabelsエンドポイント、4つのアップグレード手順、変更前後のJSONペイロードを含む
  • ヘッダー: Parcelo APIバージョン2026-07-01 · 2026年7月1日リリース · 2027年1月15日までに対応が必要
  • 要約: バージョン2026-07-01では、料金の返却方法が変わり、1つのフィールド名が変更されます。アップグレードするまでは、固定したバージョンのまま連携が動作し続けます。v1のlabelsエンドポイントは、2027年1月15日に停止します。
  • 破壊的変更:GET /rates は、amount を小数の文字列("12.99")ではなく、セント単位の整数(1299)で返します。
  • 破壊的変更:carrier フィールドは carrier_code に名前が変わります。
  • 新機能(非破壊): すべての料金に estimated_delivery(ISO 8601形式の日付)が加わります。
  • 非推奨:POST /v1/labels は2027年1月15日に提供を終了します。代わりに POST /v2/labels を使ってください。
  • アップグレード方法:(1) テスト環境で、ヘッダー Parcelo-Version: 2026-07-01 を送信します。(2) 価格を表示している箇所では、amount を100で割ります。(3) carrier を carrier_code に置き換えます。(4) ラベル関連の呼び出しを /v2/labels に移します。
  • 変更前:{"carrier": "UPS", "amount": "12.99"}
  • 変更後:{"carriercode": "ups", "amount": 1299, "estimateddelivery": "2026-07-04"}
  • ヘルプ: docs.parcelo.example/changelog/2026-07-01 と、Parcelo開発者コミュニティの #api チャンネルです。

効果的な理由: 基準1、2、3、4、6、7を満たしています。期限と提供終了日が冒頭にあります。

注意点:amount の型が変わる破壊的変更です。型を変えるときは、変更前後のスニペットを必ず添えてください。

PDFをダウンロード - Parcelo APIバージョン2026-07-01

例5:社内ITツールの展開

物流会社Northwind Freightで、約420人の従業員にツールを告知するIT運用担当者向けです。

Northwind FreightがパスワードマネージャーVaultkeyへ移行する社内IT展開ノートの記入例。3段階の展開スケジュール、従業員にとっての変更点、2日以内の期限がある3つの必須手順、Safariの既知の問題、ロールバック計画、IT担当者を記載
  • ヘッダー: ITリリース:パスワードマネージャーVaultkey · 展開期間:2026年7月7日から7月21日 · 全従業員
  • 要約: Vaultkeyが、共有の「Team Passwords」スプレッドシートに代わります。全員が3つの段階に分かれて移行し、スプレッドシートは7月28日に閲覧専用になります。
  • 展開の段階: 財務と人事が7月7日、運用と配車が7月14日、その他の全員が7月21日です。
  • 皆さんへの変更点: Vaultkeyのブラウザ拡張機能が、会社のノートパソコンに自動でインストールされます。チーム用のボールトが、スプレッドシートのタブに代わります。スプレッドシートは2026年7月28日に閲覧専用になり、ITが2026年8月31日にアーカイブします。
  • やっていただくこと(自分の段階から2日以内に対応が必要):(1) Vaultkeyからの招待メールを承諾します。(2) 14文字以上のマスターパスワードを設定します。(3) 任意:Vaultkeyのモバイルアプリをインストールします。
  • 既知の問題: Safariでは、設定 > 拡張機能から、ご自身で拡張機能をオンにしてください。
  • ロールバック: ITは、スプレッドシートのバックアップを2026年8月31日まで保管します。
  • ヘルプ: Slackの #it-help チャンネルと、毎週火曜日と木曜日の午後2時のITオフィスアワーです。
  • 担当者: Priya Raman(IT運用)。

効果的な理由: 基準1、2、3、6、7を満たしています。すべての対応に期限があります。

注意点: 各段階に日付を組み込んでいる点です。どれかがずれたら、ノートを再送してください。

PDFをダウンロード - ITリリース:パスワードマネージャーVaultkey


リリースノートの例を自社向けに調整する方法

  1. 自社のリリースの種類に最も近い見本を選びます。 機能リリース、ストア更新、ホットフィックス、API変更、社内展開のうち、種類で選びます。どれも合わない場合は、記入前のリリースノートテンプレートから始めてください。
  2. 変更の大きさに合わせて分量を調整します。 大きなリリースには背景説明や画像を付ける価値があります。小さな調整は短いダイジェストにまとめられ、パッチは冒頭で何を直したかを書くようにします。
  3. 種類ラベルと短い要約は残します。 ほかを削る場合でも、この2つの項目はどの規模でも維持してください。
  4. 各項目を成果を軸に書き直します。 エンジニアリング用語を、ユーザーが実感できる結果に置き換えます。
  5. 「自分に関係あるか」に最初の1文で答えます。 誰に利点があるか、誰が対応する必要があるかを明記します。
  6. 開発したチームと事実を確認します。 公開する前に、リリースしたエンジニアへ動作、プラン、プラットフォーム、バージョンの確認を依頼してください。
  7. 後から探せるようにエントリーにタグを付けます。 日付、変更の種類、製品領域のタグ、恒久的なURLを付け、リリースのたびに同じレイアウトを使います。


リリースノートが必要になる場面

複数の製品やエンタープライズのテナントにまたがる大規模なリリースでは、リリースノートが特に必要です。管理者が製品、プラットフォーム、バージョンで絞り込み、自分に関係する変更を見つける必要があるからです。小規模なリリースにも必要です。Webアプリの新機能1件(例1)や、ホットフィックスで自分の問題が解決したか知りたいユーザーへの案内(例3)がそうです。

モバイルとAPIには厳しい制限があります。Appleはアップデート文をApp Storeで4,000文字までに制限し、GoogleはGoogle Playで500文字までとしています(例2)。APIの連携先の開発者には、期限によってコード修正が必要になった時点で、すぐに変更を知らせるべきです(例4)。

社内ツールも対象です。ノートは、サポート担当、営業担当、システム管理者に対して、何が変わったか、誰に聞けばよいか、ロールバックがどう行われるかを伝えます(例5)。


リリースノートでよくある間違い

  • エンジニア用語を使う、チケットをそのまま写す。「検索インデックスのパイプラインを最適化」のような行や、コミットメッセージそのままの記述は、読み手の仕事について何も伝えません。読まれなくなります。
  • 「バグ修正とパフォーマンス改善」というあいまいな記述。 バグを報告した人は、直ったかどうかがわからず、サポートに新たな問い合わせが届きます。
  • 破壊的変更や必須の対応をリストの途中に埋もれさせる。 多くの箇条書きの1つとして並べると、破壊的変更は気づかれず、期限が来たときに連携が壊れます。
  • 要約のない長い更新ログをそのまま載せる。 要約がないと、読み手は自分に関係があるかどうかを知るために、すべての箇条書きに目を通さなければなりません。
  • 個性を出しすぎて、何が変わったかを隠す。 機能名のない気の利いた見出しでは、変更を探している読み手は見つけられません。


白紙から始めない:録画から作る

リリースごとにデモを行うチームは、そのセッションを録画してHinto AIに渡せます。「What's New」テンプレートが、ノートの初稿を作ります。Hintoは、Loom、Zoom、YouTubeのリンク、MP4、MOV、WebMのアップロード、さらにWebアプリまたはChrome拡張機能の録画機能で撮った画面キャプチャに対応しています。

動画を処理する間に、Hintoはボタンのクリックや画面の切り替わりを検出し、スクリーンショットと手順の文章を抽出します。エンジニアリングでは、録画したスプリントデモを、検索できるバグ修正の一覧に変えられます。

読みにくいセクションは、ハイライトして画像ごと再生成できます。完成したノートは、自社ドメインの公開ページに置いたり、50以上の言語で作成したり、Intercom、Notion、Confluence、GitHub、GitLabに送ったりできます。


リリースノートのFAQ

リリースノートにはどんなラベルを使うべきですか?

次の6つに絞ってください。新機能(New)、改善(Improved)、修正(Fixed)、非推奨(Deprecated)、破壊的変更(Breaking)、既知の問題(Known issue)です。ラベルごとに項目をまとめると、読み手は自分に関係する部分へ直接移動できます。ラベルがないと、修正が機能追加に紛れ込み、特定のユーザーに必要な変更を見落としやすくなります。

リリースノートにスクリーンショットや動画を入れるべきですか?

目に見える変更なら、入れるべきです。画面のデザイン変更は、文章よりも注釈付きの画像、GIF、短い動画のほうが早く伝わります。ドキュメントへのリンクを示せば、ノートの中で操作マニュアルを書かずに済みます。小さな修正は、テキストだけで十分です。

API変更のリリースノートはどう書きますか?

まず、連携先の開発者が対応すべきコード変更とその期限を、独立した見出しの下に書きます。その下に、破壊的変更、新しいフィールド、非推奨のエンドポイントを1行ずつ並べ、続けてアップグレード手順に番号を付けます。例4では、Parceloのヘッダーがほかのどんなことよりもまず「2027年1月15日までに対応が必要」と伝えています。

読まれるリリースノートにするにはどうしますか?

すべての項目を利点から書き始めます。たとえば「大きなエクスポートがタイムアウトしなくなりました」のようにします。内部のコンポーネント名は入れません。例1は、「請求書が自動で督促してくれます」という見出しと成果を示す要約から始まり、そのあとに設定手順が続きます。


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最終更新:
Artom Konovalov
Artom Konovalov

Product leader focused on building consumer products with empathy. Former Head of Product at Chime and Craft, specializing in AI-assisted workflows and platform innovation.

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